リブラ





うすれる花火の影
帰りたくなくて
わざと遅れて後ろ歩いた



割れたガラスの向こう
光を見ても散っていく
あたしたちのようだ



明日なんてこなくていいから
今あたしの名前呼んでほしい



好きだと強く想う程

あたしだけを見ててほしくて

サヨナラを近づける重さでも



天秤かけた想い出は
キレイなものばかりじゃないよ

あたしだけが沈んでく
傾く空に







知ってほしかったの
君のいない夜
あたしがどうしているのかを


黙った受話器の向こう
ため息をひとつ
見上げた星も濁るよ





あたしからつないだ手は
今ギリギリしがみついて
何も見えないフリ



『さよなら。バイバイ。ありがとう。』
言えるわけない
わかってるけど
『離れたい』と『放したくない』の間で



ゆらゆら揺れる恋心
消えるわけない

わかってるのに近づけない
独りよがり腕を伸ばしても…








                                        











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