帰り道
想いを口にしたなら
今ある全て壊れてしまいそうで
黙り込んだ夕暮れ時
赤い光に照らされる横顔
ふざけて重ねた手のひらに
集まるあたたかい熱
このまま時間が止まれば
良いと願う帰り道
『もう少しこのまま』と
言いかけてのみこんだ
少し後ろ歩くあたしを振り返る
やわらかな笑顔を見る度
胸がつまる
『またね』と手を振る別れ際
伝えたいことがたくさんありすぎて
少しずつ遠ざかる背中
瞳そらさずまっすぐに見つめた
振り返ってくれたら
言えるような気がして
体からあふれる気持ちを
二文字に表したら君は
どんな顔するだろう…
大きな手のひらも
茶色く陽に透けた髪も
癖のあるしゃべり方も
笑顔も
全てが
好きです。